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珠江デルタ(中国語: 珠三角 Zhūsānjiǎo)は、中国の広東省にあります。超規模の製造業と貿易を擁する活気ある地域であり、その大部分は高度に開発された都市区域で、高い人口密度を有しています。
経済的・言語的には、珠江河口の両岸に位置する特別行政区である香港とマカオも珠江デルタの一部と見なされます。しかし、これらは行政的・政治的に大きく異なっています。そのため、本記事ではこれらを扱いません。
この地域は中国でも最も豊かで発展した地域の一つであり、デルタ地帯のすべての都市は中国の高速鉄道網によって結ばれています。
都市
珠江デルタの地級市 (写真: Croquant, CC BY 3.0)
この地域には8つの地級市があります。
- 広州 (中国語: 广州) - 広東省の省都であり、この地域の経済・文化の中心です。珠江を数時間上った場所にあり、数千年の歴史を持ち、海のシルクロードの時代から貿易都市として栄えてきました。
- 東莞 (中国語: 东莞) - 広州と深圳の間に位置するアパレル産業の中心地で、製造業の町厚街もあります。
- 仏山 (中国語: 佛山) - 広州の南西に位置する工業都市で、美食の目的地として知られる順徳があります。順徳は複雑に交差する水路でも有名です。
- 恵州 (中国語: 惠州) - 地域の北東端に位置する、美しく急速に発展している都市で、自然や海岸で人気があります。
- 江門 (中国語: 江门) - 港湾都市であり、開平、恩平、鶴山、台山などといった県級市を含みます。数十万人のアメリカやカナダに住む華僑の祖籍地でもあります。
- 深圳 (中国語: 深圳) - 香港に隣合う中国本土側の都市です。1970年代後半まではほぼ漁村の集落でしたが、その後経済特区に指定され驚異的な発展を遂げました。現在では人口約2,000万人に迫る成長都市であり、中国の技術産業の中心地です。
- 中山 (中国語: 中山) - 孫文の故郷であり、珠海の内陸側に位置する家具産業の中心地です。
- 珠海 (中国語: 珠海) - マカオに隣接する中国本土側の都市です。こちらも漁村から経済特区へと発展し、2020年時点で人口244万人を有しています。深圳ほど裕福でも派手でもありませんが、伝統的な方言や文化がよりよく保存されています。海辺を散策したり、保存状態の良い20世紀初頭の斗門旧街を訪れたりできます。
深圳と珠海は、投資を促進するためにさまざまな措置がなされている経済特区(SEZ)です。どちらも経済的に多く集客するほか、買い物や各種サービス、娯楽が中国本土の方が安価であることから、香港やマカオからも多数の観光客が訪れます。
知る
この地域は、海のシルクロードの時代から茶貿易の時代を経て現代に至るまで、常に中国の主要な対外貿易拠点の一つでした。
広東省は中国の輸出総額の約3分の1を生み出しており、その大部分はデルタ地帯のものです。この地域はしばしば「世界の工場」と呼ばれます。最大の製品分野は衣料品と電子機器ですが、工業基盤は極めて多様であり、生産される製品の種類も膨大です。
1978年、東莞で香港向け輸出用ハンドバッグを製造する小規模な加工工場が開設されました。これは中国初の輸出加工企業でした。その後、鄧小平による改革開放政策が実施されると、デルタ地帯は狂乱的ともいえる発展を遂げました。その背景には、香港・台湾・海外からの大規模投資がありました。また、中国国内の他地域からの投資や大規模な人口流入もありました。
この数十年間、先進工業国のGDP成長率は一般的に年0〜4%程度でした。一方、中国は数十年にわたり全国ベースで毎年8〜9%の成長を達成しました。そしてデルタ地帯は年15%前後という、さらに高い成長率を記録しました。つまり、1980年代から2008年頃まで、GDPが約5年ごとに倍増していたことになります。珠江デルタの象徴都市である深圳は、「世界で最も成長の速い国の、最も成長の速い省の、最も成長の速い地域の、最も成長の速い都市」であると自負しています。
改革開放政策の一環として、投資を促進するために経済特区(SEZ)が設置されました。そのうちの二つ、深圳と珠海がデルタ地帯にあります。どちらも1970年代の漁村から、現在の活気ある近代都市へと驚異的な成長を遂げました。2020年の国勢調査では、深圳の人口は約2,000万人に迫り、珠海も200万人を大きく上回っています。
費用
非常に限られた予算で旅行するのであれば、この地域を離れ、中国内陸部で本当のお買い得品を探した方がよいでしょう。
費用を気にしない旅行者であれば、香港に滞在するか、他都市の高級施設を利用することで、どちらの場合でも素晴らしい体験ができます。
香港やマカオの住民は、より安価な買い物やサービス、娯楽を求めて日常的に深圳や珠海へ渡っています。旅行者も同様のことができます。一方で、珠江デルタの中国本土住民は、高級ショッピングや娯楽を求めて香港やマカオへ向かいます。ブランド品に対する税率の低さや、マカオのカジノ、香港ディズニーランドなどの魅力がその理由です。現在では広州や深圳にも多くの高級ショッピング施設や娯楽施設がありますが、脇道や郊外には依然として安価な選択肢があります。
話す
この地域の主要言語は広東語であり、隣接する香港やマカオとも共通しています。しかし、標準語は何十年にもわたって中国本土全域で教育および行政の言語であったため、こちらも非常に広く話されています。深圳では、他地域からの大規模な移住により標準語が優勢です。この地域の一部では、台山語のように広東語と近縁でありながらお互いにあまり通じない方言も話されていますが、こうした話者も通常は標準的な広東語を話します。客家語も地域内のかなり少数の人々に話されていますが、その人々の大半は広東語、標準語、またはその両方も話すことができます。
香港の影響と、この地域が広範な外国貿易の結びつきを持つことから、中国の他地域と比べると英語は比較的よく通じます。しかし、それでも決して広く普及しているわけではありません。高級ホテルや観光客向けの土産物店のスタッフであれば十分な英語を話せることを期待していいですが、タクシー運転手や地元のレストランのウェイトレスにはあまり期待できません。
この地域は非常に国際色豊かであるため、スウェーデン語からスワヒリ語まで、さまざまな外国語が聞こえてくることもありますが、旅行者にとって広く通用したり一般的に役立ったりする言語はありません。ただし、一部の高級ホテルは特定の国からの旅行者を主な対象としており、日本語、韓国語、ロシア語、あるいは西ヨーロッパの主要言語でサービスを提供している場合があります。
着く
飛行機で
広州と香港にはどちらも主要な国際空港があり、深圳、珠海、マカオにも大規模な空港があります。これらの空港はすべて1990年頃以降に建設または大幅拡張されたもので、近代的かつ効率的です。珠海空港は国内線のみを扱っており、仏山や恵州の小規模空港も同様です。一部の国際格安航空会社は、着陸料が香港や広州より安いため、マカオや深圳へ就航しています。2018年時点のウィキペディアによる旅客数ベースの世界空港ランキングでは、香港が8位(国際線旅客数では3位)、広州が13位、深圳が32位でした。
船で
香港空港からは珠江デルタ地域の複数都市へ直通のフェリーが運航されています。空港からフェリーに乗る場合は、香港の出入境審査や税関を通過せずに直接チケットカウンターへ向かってください。詳細は香港国際空港#フェリーでをご覧ください。マカオ空港と深圳空港からも、珠江デルタ地域の多くの都市へフェリーが運航されています。
車や鉄道で
この地域は道路と鉄道によって中国の他地域と良好に結ばれています。中国の高速鉄道網の中核を成すのは、武漢と鄭州を経由して広州と北京を結ぶ、全線で時速300 km (190 mi)超の路線です。この路線は多くの都市を通過し、途中で各地へ向かう支線が分岐しています。さらに、最高時速250kmの高速路線が深圳から廈門、杭州を経由して上海まで海岸沿いに延びています。
査証
この地域には3つの異なる査証制度があります。すなわち、香港、マカオ、そして中国本土の中国のビザです。多くの西側諸国の国民は香港へ査証免除で入ることができ、マカオへも査証免除または到着査証で入ることができますが、中国本土へ入るには事前に中国観光ビザを取得する必要があります。
中国本土のビザは自国の中国大使館または領事館で取得できます。多くの国の旅券所持者は、香港またはマカオの政府機関でも査証を取得できます。マカオの窓口の方が待ち時間は短めです。両都市の多くの旅行代理店でも、少額の手数料でビザ取得を代行してくれます。国営の中国国際旅行社(CITS)は香港空港に事務所を構えており、ビザ手配と航空券手配の両方を行っています。
深圳または珠海への入域のみを認め、中国本土の他地域へは移動できない特別査証もあります。これらは国境で取得できる場合がありますが、規則は旅券の種類によって異なり、また時期によっても変わります。詳細は深圳および珠海の記事をご覧ください。
移動する
地域全体が高速道路で良好に結ばれており、地域内のどの都市や町へもバスで容易に行くことができます。自分で運転することはあまり推奨しません。詳しくは中国での運転をご覧ください。
広州は中国各地へつながる主要な鉄道拠点です。高速鉄道によって深圳や珠海へ迅速に移動でき、それぞれ香港やマカオとの国境まで直行できます。中国の高速鉄道は、西九龍(広深港高速鉄道)駅を通じて香港へも直接乗り入れています。この地域には他にも多数の鉄道路線が縦横無尽に走っており、未だに多くの路線が建設中です。珠江デルタ内の各地を結ぶ路線については、粤港澳大湾区都市間鉄道の記事を参照してください。
珠江河口の主要都市を結ぶ旅客フェリー網も充実しており、その多くは高速水中翼船です。東側の香港・深圳と、西側のマカオ・珠海を結んでいます。一部のフェリーは東莞や中山へも運航されています。また、ヘリコプター便もあり、高速で便利ですがかなり高額です。詳細は各都市の記事の「着く」節をご覧ください。
すべての都市には優れた路線バス網(ただしスリには注意してください)と豊富なタクシーサービスがあります。広州、深圳、香港には大規模な地下鉄網もあり、仏山と東莞にも規模は小さいながら地下鉄があります。これら5都市の地下鉄網はいずれも積極的に拡張が進められています。詳細は各都市の記事の「移動する」節をご覧ください。
珠江デルタ地域の交通インフラはあまりにも急速に拡張されているため、その変化を完全に把握するのは困難です。そのため、本記事を含め、どのガイドも完全に最新の情報を反映しているとは期待しないでください。
観る

広州の陳氏書院の屋根を飾る見事な彫刻。陳氏書院は、伝統的な嶺南建築の最も優れ、かつ保存状態の良い例の1つです。 (写真: xiquinhosilva, CC BY 2.0)
この地域の伝統建築は嶺南建築として知られています。主として石材で建てられているのが特徴で、伝統的に木造建築が主流であった中国北部の建築とは対照的です。特に寺院では、装飾目的で多数の浮彫や彫像が取り入れられていることが多く、この点も中国北部の伝統建築との大きな違いとなっています。
見どころについては各都市の記事をご覧ください。特に広州には多くの歴史的建造物や博物館があり、深圳には多数のテーマパークや博物館があります。
開平には、主に20世紀初頭に華僑によって建てられた多くの碉楼(見張り塔)があります。これらの建築物は西洋、中華、時には中東の建築様式をも融合しており、しばしばダイナミックになっています。これらはユネスコ世界遺産に登録されています。
西洋とのアヘン貿易の時代の中国史に興味があるなら、東莞のアヘン戦争博物館は間違いなく訪れる価値があります。
- 開平 - 珠江デルタ西部の農村県で、20世紀初頭にアメリカやカナダの華僑が東西折衷様式で建設した村落や碉楼で知られています。また、中国の人気映画『さらば復讐の狼たちよ』(中国語: 譲子弾飛、中国語: 让子弹飞)の舞台でもあります。
する
広州交易会は広州で年2回開催され、中国で最も重要な見本市です。快速帆船の時代には、皇帝は外国人との貿易を広東(現在の広州)でのみ許可していました。毛沢東時代には、広州交易会は中国人と海外の実業家が商談を行えるほぼ唯一の場でした。そうした時代はすでに過去のものとなり、現在では中国の貿易はそれなりに開かれていますが、この見本市は依然として巨大かつ重要な存在です。
この地域は近年の繁栄によって高級娯楽も豊富です。富裕層向けの主要な遊び場は間違いなく香港とマカオですが、中国本土側の都市でも不足はありません。高級ショッピング、地元住民の週給を超える料金のマッサージセンター、至る所にあるゴルフ場、遊園地(主に深圳)、さらには白雲山でのバンジージャンプや深圳中心部で地上500 m (1,600 ft)近い高さからの眺望といった珍しい体験まであります。
しかし、予算が限られていても心配はいりません。これらの都市には大規模な労働者層も暮らしており、無料または低料金で楽しめるアクティビティもまた数多くあります。博物館、公園、ハイキングコースの多くは無料で利用でき、深圳の主要な公園はすべて無料です。
この地域は工業と都市開発で知られており、本格的なアウトドア愛好家は他の地域を検討した方がよいでしょう。ハイカーなら粤北やさらに内陸部(中国中南部など)へ向かい、海水浴を楽しみたい人は通常海南省の方へ向かいます。それでも、この地域を訪れているのであれば、珠江デルタには驚くほど美しい山々やまずまずのビーチもあります。山がお好きなら深圳や恵州を訪れ、海辺でくつろぎたいなら恵州や珠海へ向かうとよいでしょう。隣の香港にも、驚くほど優れたハイキングコースと息をのむような景観があります。
出かける
訪れるに値する近隣地域はいくつかあります。
まず、言語・文化・経済の面では珠江デルタ地域の一部ですが、政治的に異なるため本記事では扱っていない地域が2つあります:
- 香港は河口東側に位置するかつてのイギリス植民地です。1841年に、アヘン戦争の結果としてイギリスが獲得し、その中国進出の拠点として使われ、やがて対中貿易の中心地としてマカオを凌ぐようになりました。1997年に中国の特別行政区となり、一国二制度のスローガンの下で自由放任的な資本主義体制の大部分を維持しています。
- マカオは河口西側に位置する旧ポルトガル植民地です。東アジアにおける最初のヨーロッパ人居留地であり、1500年代の建設以来、重要な貿易港として栄えました。現在の主な見どころはカジノ、ヨーロッパ料理やワイン、そして植民地時代の歴史的建築です。1999年に中国の特別行政区となりました。
西へ向かうのであれば:
チベットへの陸の旅および香港から昆明までの陸の旅は、この地域を起点として西へ向かう旅程です。
福建省の北東方面へ向かうなら:
- 歴史と景観で知られる武夷山
- 活気あふれる現代都市厦門
- 客家人の巨大な福建土楼で知られる永定県
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(写真: Zeng Liansong, Public domain) 中国 | | |
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