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トゥルク大聖堂 (写真: Markus Koljonen ( Dilaudid ), CC BY-SA 3.0)
トゥルク(フィンランド語: Turku、スウェーデン語 : Åbo オーボ)はフィンランドの古都であり、フィンランドの中では最古の13世紀に開発された中世都市です。フィンランド文化の発祥の地であり、フィンランドと世界を結び付ける玄関口としての機能を果たしている重要な都市です。現在も商業と文化の中心地として非常に栄えています。
トゥルクの象徴は、その中心部を流れているアウラ川(フィンランド語: Aurajoki、スウェーデン語: Aura å)であり街の中心とも言えます。川辺には美術館やレストラン、カフェなどがたくさん並んでおり、もちろん観光名所も数多くあります。また、国立公園などもあり、トゥルク大聖堂からトゥルク城までをゆったりと散歩することができます。また、河口付近にあるルイサロ島にはオークの森に19世紀に建てられた別荘などがあります。この一帯を旅する時期を尋ねたら、夏と答える人が多いでしょう。夏季にはロック祭りや室内楽祭りなどの多くのイベントを開きます。オーラ川沿いのハイキングも冒険心を刺激し、スリル満点かもしれません。
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2016年のトゥルクの気温 (写真: Vilho Verkkotoimitus, CC BY-SA 4.0)
歴史
冒頭で説明したように、トゥルクはフィンランド国内最古の都市で、北欧地域でも有数の歴史を誇る都市です。トゥルク市場の広場から北へ数km行ったところにあるコロイネンが発祥の地であり、1150年代には交易所があったとわかっています。フィンランド名の「トゥルク」とはロシア古語で「市場」を意味します。1229年に移入した司教座さえ、このアウラ川渓谷一帯に鉄器時代から続く歴史には及びません。地名に注目すると、インド・ヨーロッパ祖語の言葉に由来するのはイタリアのトリエステも当てはまります(イタリア語: Trieste)。スウェーデン語名でなぜオーボと呼ぶのか、語源は不明ですが、一説にスウェーデン入植者がオーラ川(Aurajoki)「【の+川辺】(å+bo)」の集落だからÅboと呼び始めたといいます。トゥルク市場が開かれる広場は大きく開けており、むしろ面積では南海岸全域で最大ともいえるでしょう。
トゥルク市の設立は、ローマ教皇が司教座を置いた1229年とされており、街の歴史は発掘調査を何度も重ねて次第に明らかになってきました。トゥルク城の築城は1280年代、ドミニコ会修道院がサンパリンナ(丘陵地)に建てられた1300年に、トゥルク大聖堂も完成しました。それ以降、この都市はスウェーデン国内でも重要な地位を占め、貿易都市として非常に栄えた背景に、スタップル・タウン・チャーターという、都市単位で外国と貿易を行える権利を取得したことが挙げられます。発展初期にはドイツ系のブルジョワジー(中産階級)が大きな影響を与えており、そのコミュニティはハンザ同盟の一員でした。
スウェーデン王国統治時代、トゥルクは国内最大の重要都市で、フィンランド初の大学が1640年に設立されました。スウェーデン国内の大学で3番目に当たります。1809年にロシアの統治下に入ると、首都はここからヘルシンキに移されます。フィンランド最大の都市の座を1840年代まで守ったトゥルクも、1827年の大火事で街の大部分を焼失しました。これを「トゥルク大火」と呼び(フィンランド語: Turun palo、スウェーデン語: Åbo brand)、規模は北欧諸国で史上最大の火災でした。市街地は焼け落ちてかつての繁栄は見る影もなく、大司教座を除くと主要機関はヘルシンキに転出しました。焼け野原となったトゥルクの街はカール・ルートビッヒ・エンゲルによる都市復興計画が実施され、まったく別の街へと生まれ変わりました。
気候
| 気候 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 最高気温 (°C) | −1.7 | −2.1 | 2.0 | 8.8 | 15.5 | 19.5 | 22.3 | 20.5 | 14.9 | 8.8 | 3.0 | −0.1 |
| 最低気温 (°C) | −7.3 | −8.3 | −4.9 | −0.2 | 4.8 | 9.3 | 12.6 | 11.6 | 7.2 | 3.2 | −1.6 | −5.6 |
| 降水量 (mm) | 61 | 42 | 43 | 32 | 39 | 59 | 79 | 80 | 64 | 78 | 76 | 70 |
| 日照時間 (時間) | 40 | 75 | 134 | 204 | 284 | 276 | 287 | 230 | 155 | 89 | 38 | 27 |
| 日本語版Wikipedia より |
トゥルクはフィンランドの他の地域と同じように湿潤大陸性気候に属し、四季がはっきりと分かれて湿度が高い気候です。夏は気温が摂氏30度近くまで上がり、冬は雪が降り零下25度まで下がることもあります。5月下旬から9月上旬が旅行に最適でしょう。もしも冬に滞在して氷泥と遭遇したら、内陸に脚を伸ばすと雪が降り積もった景色に出会えるかもしれません。トゥルクの中心部でも稀に雪が降ります。
現在の天気予報はフィンランド気象研究所のウェブサイトで閲覧可能です。
民族
トゥルクはフィンランドの地方都市でかつての首都、人口は国内3番目、北欧全体でも8番目です。この地域には約33万人が住んでおり、2つの大学と4つの応用科学大学を備えた主要な学術都市でもあります。そのため街には学生が多く、レストランやライブハウス、ナイトライフも充実しています。オーラ川に浮かぶバーは他の都市ではあまり見られないし、地元の名物です。この街の人々は文化にプライドを抱き、一部には1812年に首都がヘルシンキに移ったことをよく思っていない住民もいます。フィンランドの他の地域の人の目には、トゥルク出身者はなかなか心を開かず、やたらにふるさと自慢をしたがる高慢ちきな人ばかりという印象が根強いようです。しかし市場の立つ広場へ行ったら、そんなのはただの風評だったとすぐに気づくはずです。トゥルク方言はスウェーデン語の他、歴史的にはエストニア語の影響を強く受けており、稀にエストニア語のように聞こえることもあります。
読書
- レイヨ・マキ著(Reijo Mäki)探偵小説『Vares』シリーズ - トゥルク出身の作家が手がけた犯罪小説。警察の捜査手順や犯罪が社会や精神に与える影響にフォーカスを当てています。しかし作家の視線は常に主人公で私立探偵の Jussi Vares(ユッシ・ヴァレス)に注がれ、その人物像は深酒をしては恋に落ち、他人を殴っては襲われるという、まさにハードボイルド小説のお約束どおりです。物語の舞台は必ずトゥルクであり、作家はこの街では著名人ですから、お気に入りのバー「Uusi Apteekki Pub」を覗くと、しばしば見かけることでしょう。
- リーナ・ランダー著『THE HOME OF DARK BUTTERFLIES』 - これは、とあるトラウマを抱えた14歳の少年、ジュハニを描いています。里親や一時的な家族の間をたらい回しにされて6年も過ごし、安定した生活など夢のまた夢でした。そんな彼は「島」と呼ばれる遠隔地の保護施設(孤児院)に送られた当初、管理人である Olavi Harjula がどんなに冷徹な人物か知りませんでした。この島の住民はハルジュラのほか6人の少年入所者の他に、管理人の妻イレーネと夫妻の娘2人、そして家畜の世話をして皆の食事の仕出しをするTynneだけです。
物語の舞台である島は実在し、孤児院も1968年まで置かれていました。2008年には Dome Karukoski 監督作品として[:w:en:The_Home_of_Dark_Butterflies|映画化]]([フィンランド語](https://ja.wikipedia.org/wiki/ja:%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%AA%9E): Tummien perhosten koti)、撮影はトゥルク群島の島でロケをしています。2008年のアカデミー国際長編映画賞(旧称:アカデミー賞外国語映画賞)にも出品されましたが、候補作にはなりませんでした(受賞作は『おくりびと』)。
着く
飛行機で
トゥルク空港 (英語版) (TKUIATA | フィンランド語
Turun lentoasemalle、スウェーデン語: Åbo flygplats)

トゥルク空港に駐機する ヘルシンキ 行きのフィンエアー( フィンランド語 : Finnair Oyj )。 (写真: Henry Hagnäs from Turku, Finland, CC BY 2.0)
トゥルク空港 (Turun lentoasema, TKUIATA, IATA:TKU)、Lentoasemantie 150 (トゥルク市街地から北に約8km。)。 そこまで大きくない印象の空港で、搭乗ターミナルは2箇所あります。
フィンランドの航空会社であるフィンエアーはヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HELIATA | フィンランド語: Helsinki-Vantaan lentoasema、スウェーデン語: Helsingfors-Vanda flygplats)とトゥルク空港の間を数時間おきに往復しています。スカンジナビア航空(フィンランド語・スウェーデン語: Scandinavian Airlines)はストックホルム(フィンランド語: Tukholma、スウェーデン語: Stockholm)やキッティラ(フィンランド語: Kittilä、イナリ・サーミ語: Kittâl、北部サーミ語: Gihttel)からトゥルクへ、エア・バルティック(英語: AirBaltic)はトゥルクとリガ(ラトビア語: Rīga、ロシア語: Рига、エストニア語: Riia、リトアニア語: Ryga)を結んでいます。上記の航空会社はトゥルク空港第1ターミナルから発着しています。なお、第2ターミナルはウィズエアー(WizzAir)が使用し、トゥルクとグダニスク(ポーランド語: Gdańsk)やカウナス(リトアニア語: Kaunas、ラトビア語: Kauņa、ポーランド語: Kowno、ロシア語: Каунас)、クラクフ(ドイツ語: Krakau、フランス語: Cracovie)・スコピエ(マケドニア語: Скопје)などを往復しています。
空港から20分おきに出発するバスライン1は、トゥルクの市街地を通りトゥルク港まで結んでいます。沿線にはいくつかホテルがあります。チケットは車内で3€/1.50€で売っています(2時間以内は運賃無料、詳細は移動する節を参照)。最終バスは最大15分も出発を遅らせ、乗客が間に合うように工夫しています。最終バスはトゥルク港まで行かずマーケット広場が終点です。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港HELIATA
飛行機なら、国際線が多く離発着するヘルシンキ・ヴァンター国際空港(HELIATA)の方が便利です。トゥルクはヘルシンキから166kmほどの距離で、列車やバスを利用すると楽に移動できます。自動車を利用する場合、国道1号線で約1時間40分かかります。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港とトゥルクを結ぶ高速バスは、ヴァイニオ社運行便が1時間ごとに走っており、国際線ターミナルの54乗り場 (確認必要) から発車します。通常はAirBusで空港を出発すると、
- トゥルベソルム(Turvesolmu)でヴァイニオ社のバスに乗り継ぎができます。24時間運行ですが、深夜帯の発車は1時間ではなく2時間に1本です。所要時間は最短で約2時間15分ですが、途中の街を観光すると2時間55分ほどかかります。
オンニバス社のOnniflyerは安くて速いですが(2時間)、1日に8往復しか運行されていません。オンニバスは赤い2階建ての車体で、無料Wi-Fiも常備されていますが、足元のスペースが狭いのが欠点です。第2ターミナルの前にあるバス停23番と24番より運行されています。乗車チケットは事前にネットで予約すると、さらに安く購入できます。
鉄道で

トゥルク中央駅の旧駅舎 (写真: Markus Koljonen, CC BY-SA 3.0)

トゥルク中央駅からの眺め。ロゴモ歩道橋( wikipedia )の方向(2018年時点) (写真: Vilho Verkkotoimitus, CC BY-SA 4.0)
| 注意 | |
|---|---|
| 2022年から2024年にかけて鉄道橋が新設される期間、2024年12月15日までヘルシンキ発の列車はトゥルク(「中央駅」)には到着せず、クピッタで折り返し運転します。中央駅は2024年8月から仮設の位置で営業の予定です。詳しい進捗状況は記事でご確認ください。 | |
困ったときは
トゥルクにはTurku Touringという公式観光局があります。より広い地域にも対応しています。
観る
市内の観光名所の大半は、マーケット広場から半径1~2km内にあります。トゥルクのシンボルである中世のトゥルク城と、フィンランドの文化を代表する大聖堂であるトゥルク大聖堂がその代表です。しかし、もう少し控えめな宝物もあります。アボア・ヴェトゥス&アルスノーヴァ(考古学博物館兼近代美術館)は、トゥルクの中世の歴史と文化を展示し、現代アートが多く所蔵されています。ルオスタリンマキ(フィンランド語: Luostarinmäen、スウェーデン語: Klosterbacken | 直訳 : 修道院のある丘)は、1827年のトゥルク大火を唯一生き延び、この街でも重要な地域です。現在は屋外にあるルオスタリンマキ手工芸品博物館(フィンランド語: Luostarinmäen käsityöläismuseo、スウェーデン語: Hantverksmuseet på Klosterbacken、英語: Cloister Hill Handicrafts Museum)があります。生物博物館には、様々なフィンランドの動物を紹介するジオラマがあります。また、美術館には19世紀の国民意識覚醒期の品々と(19世紀、フィンランドはロシアからの支配を緩めることに成功している)、近代的な作品が展示されています。Museokorttiカードを持っていると、ほとんどの博物館に無料で入場することができます。
する
繋がる
SparkNetというフィンランド最大のWiFiネットワークが存在します。市内の学校や大学の学生、市の職員は利用が無料です。それ以外の利用希望者は、利用権を公式ウェブサイトから購入できます。ネットワーク参加機関の学生や職員は、無料WiFiをEduroamネットワーク経由で利用できます。
トゥルクで使えるWiFiは、SparkNet以外にもたくさんあります。ほとんどのカフェやバーでは、無料のワイヤレス接続でインターネットを使えます。また、レストランでも無料WiFiが利用できるところが多いですが、店に入ってせめて飲食物を何か注文するべきでしょう。
出かける
- 多島海(フィンランド語: Saaristomeri、スウェーデン語: Skärgårdshavet) - フィンランドの有名な観光地の一つ。島の数は世界最多ともいわれている場所。
- クリエンラハカ国立公園 - クリエンラハカは、地域最大かつ最も多様性のある泥炭地帯であり、公園内には湖や原生林があります。公園で最も著名なのは、8自治体の古い境界でしょう。日帰りで行くことが可能ですが、ハイキングが目的だと2~3日がかりで楽しめます。2018年より、夏にローカルバスが運行されるようになりました。
- ナーンタリ - ローカルバスで20分ほど移動すると、フィンランド大統領の離宮「クルタランタ」、テーマパーク「ムーミンワールド」、美しい木造の旧市街があります。
- ラウマ - ユネスコ世界遺産に登録されている旧市街。移動時間はトゥルクからバス利用で1時間半ほど。フィンランド全国で3番目に古い街。
- オーランド諸島 - スウェーデンからオーランド諸島へのフェリー(日帰り便・夜間便)が出ています。移動時間はストックホルムまで10時間、マリエハムンなら5時間ほど。
このページの出典
このページはウィキボヤージュから取り込まれました。 「トゥルク」(ウィキボヤージュ、執筆者)、CC BY-SA 4.0 に基づく。ここでの変更:ページとして組版し、編集リンク・地図・掲載情報のメタデータを除去。各写真はそれぞれのライセンスに従い、キャプションに表示。
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